本文へスキップ

放浪記

20年以上の世界放浪を綴った自伝的連載。各地での出会いと別れ、日々の断片を残しています。

521件の記事 ・ 15 / 22 ページ

ヒマラヤ山脈の温泉村の話7(放浪記184)

(以下内容転載禁止、法的対処有。) 僕たちはその日はお茶を飲んで帰ったが、Tちゃんは次の日からも毎日Rさんの家へ通った。 Tちゃんとしては、せっかく愛する恋人に会いに来たのに、彼は自分の内側の世界にこもってしまい、外側の世界から断絶している事を辛く思っていたのだろう。 毎日家に通

約4分 放浪記 #184

ヒマラヤ山脈の温泉村の話6(放浪記183)

僕がバシシトについて程なく、Rさんと同じく、ゴアでずっと一緒に遊んでいたTちゃんがやって来た。 Rさんにしろ、Tちゃんにしろ数ヶ月の間、毎日一緒に遊んでいて、冒険と食生活を共にしていたので、ただの友人というよりももっと深い家族や兄弟や同志のように感じていた。 穏やかで静かで面倒見

約4分 放浪記 #183

ヒマラヤ山脈の温泉村の話5(放浪記182)

前の記事 | 次の記事 Rさんは10年ほど前にゴアに来た時に、一夏の間じゅうブラウンシュガーにハマっていた。 彼は強烈な個性とエネルギーを内包している割りに、ものすごくシャイで控えめなところがあり、多くの抑圧が心の中にあった。 それはエネルギーに満ちた彼が封鎖的な片田舎で育ったこ

約3分 放浪記 #182

ヒマラヤ山脈の温泉村の話4(放浪記181)

伝統的な土壁と石屋根の家の狭い木の扉からRさんが出てきた。 寝起きだったのかして、ぼーっとしている。 それでもお互いにハグを交わし再会を祝う。 お茶を淹れてくれるというので、家の中へ入って待つ。 部屋は昼間だというのに光があまり入らず薄暗い。 裸電球を点灯して暗さを補う。 大きな

約4分 放浪記 #181

ヒマラヤ山脈の温泉村の話3(放浪記180)

宿に戻ると友人のNさんが戻っていた。 久しぶりの再開を祝し熱いハグを交わす。 5ヶ月ほど前にゴアで別れて以降は、タイに寄ってインドビザを更新した後に、インドへ戻ってきたらしい。 彼はすでに3年ほどアジア全域を旅していて、年齢も30代半ばと周りの旅人達よりも少し上と言うこともあり、

約2分 放浪記 #180

ヒマラヤ山脈の温泉村の話2(放浪記179)

僕は、出会ったばかりの風呂上がりの旅人Kくんの後を付いていく。 牛糞が散乱する石畳の細い山道を進んでいった先に、その宿はあった。 友人のNさんはどこかへ出かけていて居なかったが、なんにせよその日の宿を確保しないといけなかったので、同じ宿に滞在することにした。 山の斜面に建っている

約3分 放浪記 #179

ヒマラヤ山脈の温泉村の話1(放浪記178)

狭苦しい夜行バスでの長旅は終わり、バスはマナリの停留所へ到着した。 直前まで雨が降っていたのかして、地面は濡れているが、空は晴れ渡っており、高山特有の清々しさがある。 街の周りは緑の山々に囲まれていて、デリーのような大都会とは大きな違いだ。 ヒマラヤ山中にあるマナリの街は避暑地だ

約2分 放浪記 #178

インドへ舞い戻る話5(放浪記177)

デリーには一晩だけ滞在して、二日目の晩に夜行バスでヒマラヤ山脈にある、今回の目的地であるマナリと言う避暑地へ向かうことにした。 マナリの街から少し離れたところにあるバシシトと言う村には温泉があり、多くの旅人たちが長期滞在して暮らしているという。 ゴアの時の友人たちの数人が既に向か

約2分 放浪記 #177

インドへ舞い戻る話4(放浪記176)

デリーの安宿街にはナブラン・ゲストハウスという宿があり、安く泊まれて日本人が多く集まるという話を聞いていた。 通りを練り歩き、宿の情報を求めて聞いて回る。 宿はパハールガンジの通りの中心から裏路地を一本入ったところにあった。 まさに旅人の流れの中心に位置していると言っていい。 か

約4分 放浪記 #176

インドへ舞い戻る話3(放浪記175)

僕は、呆れ顔の演技を崩さず、提示された半額のさらに半額を要求する。 まだ、軽く立ち去ろうとする姿勢は崩さない。 それを見た運転手は仕事を失うよりはマシだと、彼の提示した額と僕の要求する額の中間よりも少し上を提示する。 僕は少し下を要求し、彼はもう少し上、僕はもう少し下と、何度か同

約3分 放浪記 #175

インドへ舞い戻る話2(放浪記174)

空港から降り立った瞬間、タクシーの客引きと押し売りと物乞いたちが集団で押し寄せてくる。 日本の穏やかな空気感から離れてたったの数時間で、僕は完全に異世界に飛び込んでいた。 彼らの目のギラツキに生きることへの真剣さが溢れている。 この必死な空気感が懐かしく、彼らの生きることへの情熱

約2分 放浪記 #174

インドへ舞い戻る話1(放浪記173)

貯金が溜まった上で仕事を辞め、再び自由の身になる。 これから待っている冒険の事を思うと心が踊る。 家族や親戚や友人に再び旅へ出る事を報告し、挨拶を済ませる。 ガールフレンドのIちゃんとの一時的な別れは辛かったが、数ヶ月後にはまた会える。 別れの辛さよりも旅への興奮の方が僕の心を圧

約2分 放浪記 #173

日本へ帰国する話16(放浪記172)

ついに旅立ちの日が近づいて来た。 とび職の仕事は4ヶ月ほど続け、40万円の貯金をする事が出来た。 月々5万円を実家に入れながらの貯金だったが、見事に節約を続け、予定した通りの目標額を達成した。 とびの仕事はあらかじめ辞める事を伝えていたので、快く受け入れて貰えて、今後の旅を応援し

約2分 放浪記 #172

日本へ帰国する話15(放浪記171)

ガールフレンドのIちゃんは旅人だが、劇団員としての女優業に集中していて夢を叶えようと奮闘していた。 僕はゴアでの経験が忘れられず、すぐにでもインドに戻りたい。 二人の行きたい方向性の違いが有ったが、そこに完璧に当てはまるパズルのピースとして、僕がゴアで仲良くしていたYさんが現れる

約2分 放浪記 #171

日本へ帰国する話14(放浪記170)

僕は週6日でとび職の仕事をし、貯金し続けた。 仕事では50キロの鉄の塊を担いで階段を上り下りする様になり、二十歳の若い身体は過酷な肉体労働で日々成長していた。 体重も10キロほど増えていたと思う。 元々背が高く痩せ細ったマッチ棒みたいな体格だったものが、ムキムキで背が高く巨人のよ

約2分 放浪記 #170

日本へ帰国する話13(放浪記169)

初めてのガールフレンドとの時間は順調に進んだ。 だが時間が進むにつれて、自分の中にある矛盾とトラウマに気がつくことになる。 僕は、ガールフレンドとの恋愛関係を無意識のうちに母から隠すようになっていた。 僕の母は離婚によるトラウマを負っていて、家庭では父の話題に触れることはタブーだ

約2分 放浪記 #169

日本へ帰国する話12(放浪記168)

とびの仕事を始めてすぐの頃に、インドのゴアで出会った女の子から手紙が来た。 当時はまだEメールなどが一般的ではない時代。 旅人同士が交換するのはメールアドレスやフェイスブックのアカウントではなく、実家の住所と実家の電話番号だった。 その交換した実家の住所へ宛てて手紙が来た。 一つ

約2分 放浪記 #168

日本へ帰国する話11(放浪記167)

とびの仕事を始めて直ぐくらいから、閉塞感に苛まれ始めた。 日本に帰って来て直ぐの頃は、美味しい日本食を食べて、久しぶりの友人に会って、溜まっていた漫画を読んで楽しい日々を過ごしていたが、そうした享楽が一旦落ち着いてくると、日本の現実が目につき始めた。 電車に乗れば誰もが青白い肌を

約4分 放浪記 #167

日本へ帰国する話10(放浪記166)

最初の日々こそしんどかったが、1週間をすぎる頃には僕の二十歳の肉体は簡単に順応した。 日々日々体が強く鍛えられて、より一層重たいものを担ぐ事ができるようになるのが嬉しく、社長や先輩と共同活動してものを作り上げて行くのも楽しかった。 旅に出るまでの僕の肉体は、週末にクラブで踊る以外

約3分 放浪記 #166

日本へ帰国する話9(放浪記165)

とび職の仕事は思っていたよりも上手くいった。 インドの土臭さに慣れた僕には肉体労働者特有のガサツさや乱暴さは逆に心地よかったし、同僚たちのヤンキー的なフレンドリーさは日本に再びなじむのを助けてくれた。 学生時代にいじめられっ子だった自分が、ヤンキー達と仲良く働くのは変な感じだった

約3分 放浪記 #165

日本へ帰国する話8(放浪記164)

旅に出る前は、この旅が一度きりの旅で、日本へ帰って来たら一人暮らしをせずに、実家に住みながら音楽制作に集中しようと考えていた。 だが、インドであまりにも衝撃な体験をしたゆえに、インドへ舞い戻ってその体験を追求せずにはいられなくなっていた。 その為にはお金を稼がなくてはならない。

約4分 放浪記 #164

日本へ帰国する話7(放浪記163)

(以下内容転載禁止、法的対処有。) 岐阜でのパーティーは、素晴らしい自然があり、最先端DJの音楽を高音質スピーカーで聴くことができ、楽しかったのだが、いまいちパッとしない感覚を残していた。 やはり、本場のゴアのパーティーを経験してしまった後には、どうしても物足りなく感じてしまうよ

約3分 放浪記 #163

日本へ帰国する話6(放浪記162)

(以下内容転載禁止、法的対処有。) とりあえず、スピーカー前へと向かう。 やはり日本の機材類はゴアとは比べ物にならず、音量も音質も圧倒的に良い。 DJも最新の曲を上手に繋げていて踊りやすい。 日本のクオリティは高いなと思いつつも、何か物足りなさを感じる。 僕が足りないと感じたのは

約4分 放浪記 #162

日本へ帰国する話5(放浪記161)

(以下内容転載禁止、法的対処有。) 日本に帰国してすぐに、ゴアの友人から連絡が来て、岐阜の山奥でゴアトランスのパーティーがあるから遊びに来いと言う誘いを受けた。 まさかこんなに直ぐに日本のパーティーに出会えるとは思っていなかったので、嬉しい驚きだ。 何人かのゴアの友人も集まってく

約4分 放浪記 #161