放浪記
20年以上の世界放浪を綴った自伝的連載。各地での出会いと別れ、日々の断片を残しています。
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石垣島でキャンプする話10(放浪記520)
サトウキビを刈る仕事は2月ころから始まる。 一月の半ばにはB君が隣島の島でのキビ刈りの仕事を見つけてきた。 明るい性格で人懐っこいB君は石垣島で出会ったあらゆる人たちと会話をして、情報を聞きつけたらしい。 B君のコネを通して僕もキビ刈りの仕事にありつくことができた。 勤務地は隣の

石垣島でキャンプする話9(放浪記519)
年が明けて1週間ほどした頃に、インドのゴアで知り合った友人のB君がやってきた。 僕はB君のことはほんの少ししか出会っていないので良く知らなかったのだが、僕がインドで一緒に遊んでいたYさんが、その後のアフリカの旅でB君と出会っていて、B君も沖縄にいくというので紹介してくれたのだ。

石垣島でキャンプする話8(放浪記518)
ものすごいタイミングで見ることができた初日の出に僕たちは意気揚々としていた。 この感じだと、これから始まる2002年は素晴らしい年になるに違いない。 一見すると難しいような状況でも、肝心のところで解決して全てがうまくいく、、、そんな妄想を掻き立てられるような日の出だった。 初日の

石垣島でキャンプする話7(放浪記517)
完全に眠ってしまっては、初日の出を見逃してしまうので、H君と僕はお互いに寝過ごさないように注意して眠りについた。 だがその心配は全くの無用だった。 風の吹く山頂の明け方の寒さは半端ないもので、僕たちは二人とも夜が明ける前に目が覚めた。 山頂から見下ろす海の果ての向こうにある空から

石垣島でキャンプする話6(放浪記516)
僕たちがキャンプ場について1週間ほどした頃に年末がやってきた。 恋人のいない僕たちにとっては、世俗で騒がれるクリスマスなど、どうでも良い話題だったが、年越しは特別な日にしたかった。 だが、僕たちが自分で特別な日にするまでもなく、強制的に特別な日になってしまった。 全く予期していな

石垣島でキャンプする話5(放浪記515)
H君との話は面白く、話に夢中になっているとあっという間に石垣島に到着した。 僕は沖縄に向かうという今回の自転車旅の目的を達成したので、その後にどうするかと言うアイデアは特になかった。 出来たらサトウキビ畑での仕事でも出来たら良いなとなんとなく考えていた。 このサトウキビ畑でのキビ

石垣島でキャンプする話4(放浪記514)
洞窟のグル H君はこの洞窟のグルの元で4ヶ月ほど修行をしたらしい。 その修行は中途半端なヨガクラスなんて話ではなくて、洞窟に住み込んで朝から晩まで休みなく修行すると言った類のものだったらしい。 その時にH君は呼吸法も習ったので、その成果を見せてくれた。 彼は激しい呼吸を数分行った

石垣島でキャンプする話3(放浪記513)
H君は、レインボーギャザリングを大いに楽しんだのだが、そこでの文化である「何でもシェアする」というスタイルが居心地が悪くなって離れることにしたらしい。 レインボーギャザリングでは、お互いのことをブラザー、シスター、などと呼び合って疑似家族のように暮らし、食べ物や道具などなんでも共

石垣島でキャンプする話2(放浪記512)
そのイベントは、反資本主義的な思想を持っていて、全てが寄付とボランティアによって運営されていると言う。 イベントはインドだけではなく、世界中で開かれているらしいのだが、運営母体と言ったものはなく、有志たちが個人個人で集まってイベントを開催しているらしい。 なので、特定の団体が行う

石垣島でキャンプする話1(放浪記511)
朝目が覚めると、気温はさらに暖かくなっていた。 もう完全に僕の知っている日本の雰囲気ではない。 フェリーの中を散策していると、向こうから長髪で髭面の男が歩いてくる。 ちなみに僕も長髪で髭面だ。 二人とも一目で旅人だとわかる風貌。 当たり前のように僕たちは近づいて、声を掛け合う。

自転車で沖縄へ向かう話16(放浪記510)
桜島から鹿児島市へフェリーで渡り、フェリーを乗り換えて沖縄の那覇へと向かう。 フェリーは、寝台付きで、一晩過ごせば那覇へと到着するという予定だ。 フェリーに乗ると、当然の如く沖縄県人が多く、雰囲気が異なっていた。 乗客たちは、全体的に肌の色が濃く、顔の作りも濃い。 沖縄県人たちに

自転車で沖縄へ向かう話15(放浪記509)
これから宮崎から鹿児島へと向かうのだが、そのためには峠を越える必要がある。 低い丘のようなものだが、自転車の旅では低い丘でも多くの体力を消費する。 疲れる道中になることが予想されるので、朝早くに出発することにした。 山道を登り始めると、そこにはミカン畑が広がっていた。 そして嬉し

自転車で沖縄へ向かう話14(放浪記508)
朝日と共に目を覚まし、テントを畳む。 パチンコ屋の駐車場でキャンプしているところなど、近所の人に見られたくはないし、警官に質問されたりするのも面倒臭い。 ラーメン屋が開店するまで、しばらく時間があったので、近くのコンビニで朝食を買い、公園で休む。 こっちは朝の6時に起きているのに

自転車で沖縄へ向かう話13(放浪記507)
食べ終えて近くにある銀行まで自転車で向かう。 だが、残念なことにその日は日曜日で、ATM稼働していない。 こっちは曜日に関係なく自転車旅をしているので、日曜日だとは思いもしなかった。 こうなっては明日の朝まで待つしかない。 その日のうちに街を出て、森の中で気持ちよくキャンプしたか

自転車で沖縄へ向かう話12(放浪記506)
フェリーがたどり着いたのは大分県だ。 僕の人生で大分県と関わることはなかったし、大分県出身の人と出会ったこともなかったので、一切の接点はなく、全くもって未知の土地だった。 九州自体も初めてなので、新しい大陸へとやってきた感じで、期待に満ちていた。 四国の田舎具合からすると、大分の

自転車で沖縄へ向かう話11(放浪記505)
ここまで来て引き返したくはないというヤケクソの思いで覚悟を決めた。 僕は右利きなので、体の右側に自転車を持つと、自分の体が崖に面することになる。 なので、左手で自転車を推し、万が一に何かが落ちるとしたら、自転車が先に落ちるようにして、幅40センチの排水溝の上を進むことにした。 距

自転車で沖縄へ向かう話10(放浪記504)
さらに先へ進むと、看板が警告していた通りに、上から崖が崩れてきて、道路が塞がれていた。 アスファルトの道路の上に、5メートルほどの土砂の山が出来ている。 なるほど確かに、崖崩れで通行止めだ。 だが、車にとっては通行不可能だが、自転車にとっては不可能というほどではない。 ここまでき

自転車で沖縄へ向かう話9(放浪記503)
高知県にたどり着くと、また雰囲気が少し変わった。 どことなく垢抜けているのである。 空気感が明るいと言うか、雰囲気が軽いと言うか。 南に面した湾の県なので、暖かく穏やかな自然環境なのかもしれない。 高知市は小さなもので、市街地を抜けるとすぐに自然に溢れた漁村になった。 海は穏やか

自転車で沖縄へ向かう話8(放浪記502)
僕は四国の南側の海岸沿いを走り続け、右下のとんがった部分にある室戸岬を通過した。 。。。はずだが、残念ながら今の執筆時の僕には室戸岬の記憶は何も残っていない。 かまぼこやお遍路さんや温泉の記憶はあっても、景勝地の記憶とは長年残るものではないのかもしれない。 少なくとも僕の記憶に残

自転車で沖縄へ向かう話7(放浪記501)
僕は、沖縄へ向かう旅の途上で四国を自転車で走っているのだが、四国だけを目的として旅をしている人たちがいることに気がついた。 それは、お遍路という四国にある88箇所のお寺を回る巡礼のための旅人たちなのだ。 お遍路の名前を聞いたことがあっても、現代においても実際にそのような行為をして

自転車で沖縄へ向かう話6(放浪記500)
新鮮なみかんを頬張った後に、美味しいうどんを食べることが出来たのは幸せなことだったが、僕を真に驚かせたのはかまぼこだった。 まさか、かまぼこを食べて驚くことがあるということ自体が驚きの事実だが、僕は実際に驚いた。 子供の時はかまぼこやちくわといった練製品があまり好きではなかった。

自転車で沖縄へ向かう話5(放浪記499)
普通の旅なら、近くのバス停に行ってバスの時間を確認したり、タクシーに乗り込んだりするのだろうが、僕の移動手段は自転車だ。 バスの待ち時間もなければ、タクシーにお金を払う必要もない。 地図を見て方向を確認し、おもむろに自転車を漕ぎ始める。 12月の道程ははっきり言って結構寒いのだが

自転車で沖縄へ向かう話4(放浪記498)
生まれて初めての道路沿いの野宿だったが、緊張や恐怖よりも開放感が圧倒した。 僕は、そそくさと寝袋をしまい、キャンプマットを畳んで自転車の鞄へと詰め込んだ。 夜明け直後の朝靄の中、自転車に跨り、山道を流れ下る。 12月の早朝に自転車で山道を降りるのはかなり寒いが、爽快感は半端ない。

自転車で沖縄へ向かう話3(放浪記497)
僕は、完璧に旅の準備を整えて、自信満々に旅立つことができた。 自転車旅を始めるにあたって、最もかっこいいと感じたのは、実家の玄関から出た時である。 空港から旅が始まるのではなく、家の玄関から旅が始まるのだ。 僕は旅の荷物を自転車用バッグに詰めて、家を出た。 団地の自転車置き場に置