ロンドンに住む話15(放浪記319)

放浪記 #319 約2分 1,142字
目次

小部屋での暮らし

僕とIちゃんの暮らしは概ねうまくいっていた。

僕たちの恋愛関係はゴアにいた時とは打って変わって順調で、愛と調和に満ちていた。

ゴアの時は、僕に心のゆとりがなく、遊ぶことに必死になっていたがゆえに恋人の存在を受け入れることができずにいたが、ロンドンで落ち着いた日々を過ごすことで、愛する人とともに過ごすことの喜びを感謝するようになっていった。

貧しい暮らし

僕はタイレストランで、週4時間の皿洗いのアルバイトの安月給。

IちゃんはOL時代に貯めた貯金を切り崩して暮らしていたので、かなり貧しい暮らしをしていた。

イギリスでの貧しい暮らしは、インドを旅する旅人の平均値よりも、はるかに物質的に豊かな生活だったし、物質的豊かさよりも精神的豊かさに重きを置いていた僕たちにとっては気になる事はなかった。

僕は、むしろ旅気分で外国で暮らしているにも関わらず、お金を消費するどころか、お金を稼げることに喜びを感じていた。

若く何も人生経験のない僕にとっては、刺激的で未知の経験こそが何よりも欲しいものだったので、このまま旅を続けられると言うだけで、十分すぎるほどだった。

スーパーマーケット

イギリスに住み始めてしばらくすると、色々な社会的階層の人々がいて、給与最下層の人たちが利用する激安のスーパーマーケットが存在することを知った。

当時の僕たちは、質の良い食べ物を食べて健康を維持することよりも、いかに安くお金をかけずに舌の喜びを満たすかと言うことの方が大事だったので、激安のスーパーは嬉しい驚きだった。

その安さは驚異的で、僕たちのお気に入りの超巨大激安スーパーでは2リットルのバニラ風アイスクリームが約100円で販売されていた。

これは、バニラアイスクリームではなく、バニラ風アイスクリームで、その原材料にはごく僅かなミルクしか含まれていなかったが、僕たちは、美味しい味がして値段の安いアイスクリームに嬉々として群がっていた。

他にも、尋常でない安さのポテトチップスなどもあり、健康なんて気にしなくてもエネルギーに満ち溢れている若い僕たちにとっては、嬉しい選択肢だった。

今になって思い返すと、本当にあまり健康とは言えない食生活だったが、風邪ひとつ引く事はなかったし、健康のことが頭をよぎることもなかった。

いかに日々を刺激的に面白おかしく過ごすかだけに集中していた。

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