ゴアに出会う話7(放浪記104)

放浪記 #104 約5分 2,444字
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Rさん宅

僕とYさんは小さなシングルルームに滞在していたが、Rさんは庭付き一戸建てを借りていた。

値段は張るが、3ヶ月前払いにすることで、かなりの値下げに成功したようだ。

家の広さや、庭がある事、立地などの条件から当然のように僕たちの溜まり場になっていった。

彼はゴアに来る前から、長期滞在することを決めてきていたようで、生活必需品などもすでに一通り揃えている。

Rさんのインド生活知識は大したもので、ケロシンストーブ(灯油コンロ)を如何に灯油を無駄にせずに使うか、壊れた時にどのように自分で修理するか。

生のココナッツをどのように割れば上手に割れて中身を美味しく食べられるか、どうやって各スパイスの個性を引き出して美味しいカレーを作るかなど、非常に実用的な知識だ。

そんな地元密着型のRさんの性格は個性的で、懐が深い。

地元の子供達に優しいのは勿論だが、少し壊れ気味の旅人にも優しかったりする。

Sさん

Rさんの家に遊びに来ていたのは僕とYさんだけではなく、イラン人のSさんと言う30歳前後の旅行者もいた。

彼女は数年前にゴアに旅行に来て、気に入ったと同時に自由さに弾けてしまい、自分の国に帰りたくなくなった。

イランのようなイスラムの国の厳しい環境で女性として育った人が、ゴアのような自由な場所を経験してしまっては、戻るに戻れなくなってしまうだろう。

彼女はある種の自由難民のようなものだった。

彼女は旅行に来たそのままの流れで国へ帰らず、ゴアに居ついてしまい、たまにレストランで働いたりしながら、半ホームレスのような暮らしをしている。

ホームレスと言っても、仕方なしに社会の底辺を生きざるを得ないような都会のホームレスとは大きく違っていて、家を持たずに自由に生きるホームフリーやノマドと言った名称の方が合っているのかもしれない。

彼女はたまにRさんの家に遊びに来て、食事をご馳走になって、お礼に食器を洗い、その日は勝手にバルコニーで眠ったりする。

そんな感じで色々な友人宅をフラフラと回っているようだ。

そう言う生き方は大概の国の文化においてあまり歓迎されるものでは無いが、ゴアはその懐の大きさゆえに何気なく受け入れられていた。

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