タイ旅行でカルチャーショックをうける話11(放浪記044)

放浪記 #44 約5分 2,637字
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山岳民族の少年

次の日、朝日と鳥たちの鳴き声で目が醒める。

山の朝の少し冷たい空気が気持ちいい。

部屋から出ると、すでに朝食が用意されていた。

食事を食べ、荷物をまとめ、出発の準備をする。

今日はいよいよ象に乗る日だ。

集落の外に出ると、象と象乗りのおじさんとその子供が待っていた。

一頭の象を7人で交代で乗るみたいだ。

この山岳民族の子供は、年の頃は8歳くらいの少年だが、山で相当鍛えられているらしく、見るからにワンパクで逞しい。

何よりも驚いたのが、足に履いているのが、山岳ブーツではなくて穴の空いたビーチサンダルだった事。

こっちはスニーカーで足を滑らしながら必死に歩いているのに、子供は穴あきのビーサンで山道を駈け歩いている。

僕にとっては非日常でも、彼にとっては当たり前の日常なのだろう。

みんな順番に象に乗りながら、次の集落への道を歩む。

しばらくして、ついに僕が象に乗る番がやってきた。

高さは3メートルくらいあるだろうか。

背中にとりつけた鞍から縄梯子のようなものが垂れている。

象の体側をよじ登り、鞍に座る。

ただでさえ良い景色がさらに一層いい景色になる。

象はゆっくり歩いているが歩幅が大きいため、十分なスピードになる。

象が足を動かすたびに体が大きく揺れ、一歩一歩の重みを感じる。

象の背中に乗って上から象の頭を眺めて、初めて気づいたのだが、象には頭髪があるらしい。

それもフサフサでは無くて、どちらかというとハゲ頭。

ちびまる子ちゃんのお爺ちゃんや和田勉さんのような感じの頭髪。

もちろんそれは、禿げているわけでは無くて、元々そういう髪の毛なのだが、僕は”和田勉がいる”と心の中でほくそ笑んでいた。

みんなで交代に象に乗り降りし、最終的に隣の集落までたどり着いた。

ここからは麓まで徒歩で向かう。

下り道はなお一層滑りやすく、スニーカーの平らな底が辛い。

気をつけながら、怯えながら歩いていたが、湧き水で湿っていたところを踏んで、派手にコケてしまった。

幸い怪我はなかったものの、半身が泥まみれになってしまった。

山の出口は僕たちが登山を始めた場所とは違うが、車が迎えに来てくれている。

無事にゲストハウスまで帰りつくことができ、一泊二日の山岳民族ツアーは終了した。

今回の体験でも、未知の経験が多かった。

鳥籠の中のエホバの証人の子供の生活から、一気に外の世界へと広がって行く感じが好ましかった。

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